2022年3月30日
少しずつ冬の寒さも和らぎ、春の息吹を感じ始めつつある今日この頃ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。今回は、アライブ世田谷中町で取り組んでいる「ストーリーが語れるケア~思い出になるターミナルケア~」について、ご紹介いたします。
3月にホームでご逝去されたY様。11月より看取り期に入り、ホームでターミナルケアをさせていただいていました。アライブ世田谷中町では、ホーム目標の「ストーリーが語れるケア」の中で、ターミナルケアに関しても「思い出になるターミナルケア」として、様々な工夫をしてきました。
Y様の人生の最期を、穏やかにかつ、最期まで季節を感じ、ご自身の人生を振り返られるように居室担当(※)のスタッフが様々な企画を立てて、ケアをさせていただきました。
※ご入居者に対する担当スタッフ制のこと。
看取り期とは言え、体調に問題なければ、なるべくベッドから起きていただき、外気浴等で季節を感じていただけるよう、九品仏への紅葉や二子玉川のイルミネーション、玉川神社への初詣など、季節の移ろいをがじられるよう外出の機会も作りました。
お部屋には、かつてホームで撮ったお写真を飾らせていただいたり、Y様の生まれ故郷の北海道室蘭市の母恋駅や良く遊びに行かれた小樽の写真などを思い出アルバムとして、おかせていただきました。このアルバムはY様に見ていただくことはもちろんですが、訪室したスタッフがお声掛けの際、話題にするという意味合いもあります。
そして、3月を過ぎると少しずつ体調もすぐれなくなり、お部屋で過ごされることが多くなってきました。そこで、お部屋でより快適に過ごしていただけるようアロマの香りを漂わせたり、仲の良かったお姉様の写真や初詣の時に購入した玉川神社の「延命守り」を飾らせていただきました。
お食事もあまり量が召し上がれない状況の中、なるべくお好きなものや思い出の品を召し上がっていただこうと工夫しました。大好きだった北海道の海鮮、いくらやウニ、ホタテなどを体調に合わせて一口サイズでご用意したり、北海道のアンテナショップに定期的に行って、北海道のプリンやゼリー、アイスなど買い求め、召し上がっていただきました。
本当は、3月下旬に桜を見たり、足湯に浸かって季節を感じていただきたかったのですが、残念ながら中旬に最期を迎えられました。たまたま夜勤明けだった、居室担当スタッフに看取られて逝かれました。「思い出になるターミナルケア」とは、ご入居者の思い出の地や味等を最後まで楽しんでいただくことによってご自身の人生を良い意味で振り返っていただくこともそうですが、我々、スタッフにとっても、Y様の最期に立ち会わせていただいたことが貴重な思い出となるという有意義な3か月になりました。
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