2022年2月1日
今回は、ご入居者の自己実現の一つ『思い出のターミナルケア』についてご紹介させて頂きます。
Y様は、先日、体調不良により病院受診され、癌があることが判明しました。
しかし、ご家族で話し合われ、病院での詳しい検査や積極的な治療は希望されないことになりました。訪問診療医、ご家族代表、ホームの3者で面談を行い、本格的なターミナルケアを始めることとなりました。
Y様は、北海道室蘭市ご出身で、長らく東京の田町でお仕事をされていた方でした。体調的に基本のお食事はお止めして、水分摂取とお愉しみ程度の経口摂取で対応していくことになりました。今まで、どんなに体調が悪くてもお食事は全量召し上がられていたY様のことを思うと、私たちにとってもつらい決断でした。
そこで、私たちは、改めてご家族に再度アセスメントを行い、より詳しい地元のお話や好きなもの、思い出話を伺いました。
まず、出身地の室蘭やさらに最寄りの母恋駅、良く行かれた小樽、長く働かれていた当時の田町駅などの写真を集め、お部屋に飾らせていただきました。その写真を見ていただき少しでも当時のことを懐かしんでいただいたり、訪室するスタッフの話題になると考えました。また、好きな食べ物がウニやホタテということで、お愉しみの食事として、ご家族の了承を得て、北海道産のウニをご用意したり、ホタテは硬さなど召し上がるのは難しいためホタテの出汁の果粒を購入したり、よく行かれた小樽の有名なプリンや室蘭で有名な「ウズラのプリン」を取り寄せて、適宜、召し上がっていただきました。
さらに以前、横浜のクルーズ船によく乗られたり、駒沢公園に良く行かれていたと伺い、早速、駒沢公園に散歩に行ってきました。
まずは安全安楽を第一に、痛みや苦痛をやわらげて過ごしていただくことが最優先となりますが、Y様の今までの人生の楽しかった思い出を振り返っていただいたり、好きだったものを少しでも味わっていただけるように、まさに想い出になるターミナルケアを実施すべく、色々と取り組んでいきたいと思います。
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