〜第4回　たけのこの会：アライブ世田谷中町新卒育成プログラム〜　

アライブ世田谷中町では、毎月、今年度入職した新卒スタッフ向けの研修を行っています。
すくすくと「たけのこ」のようにまっすぐに破竹の勢いで育ってほしいと「たけのこの会」と名付けました。
今回のテーマは、「薬」と「ご入居者のストーリーやエピソードを創ってみよう」という2つのテーマで行いました。

「薬」については、そもそも薬とは、また、薬の重要性やベネフィット（効果）とリスク（副作用）の関係、誤薬事故の危険性について、基本的なことを学んでもらいました。

①効果と副作用のバランスを見ることが大切　⇒　根本治療のための薬と薬の副作用を補う薬

②アライブが行っているケアメソッドの中に「減薬」という考え方があり、近年、介護業界の中でもポリファーマシー（多剤併用有害事象）を考え多剤処方の適正化が大切と言われております。安易に薬に頼らず、ケアで補えるかを常に考える大切さを理解してもらいました。

③人間違え誤薬を防ぐために一番大切なこと
薬の重要性を理解する中で、介護現場で絶対に起こしてはならない人間違え誤薬事故を防ぐために油断、過信、思い込みを極力無くし、声出し、ダブルチェックを徹底することで限りなく防ぐことが出来ること（鉄道会社等で運転士の方が、行っている指差し、声出し確認の例を挙げながら）。今、自分が持っている薬が、本当にその方の薬かを確認する（疑う）意識の高さを持ち続けられるかの重要性を再認識してもらいました。

※これらの内容は、今回の「たけのこの会」だけでは無く、ホームの全体会議の場でも研修させていただきました。

「ストーリーやエピソードを創ってみよう」では、実際に自分たちがご入居者にどんな自己実現や夢実現のための提案ができ、かつ実行できるかを計画立案してもらいました。

お1人のご入居者に対して、自分たちなりのストーリー（エピソード）を創ることを通じて、今年度のホーム目標である「ご入居者を知ることで深まる日々のケアを通じてストーリーやエピソードを語っていこう、自己実現を具体化していこう」というものを理解する良い機会となりました。

アセスメントとして、ご本人の普段おっしゃっている顕在的なニーズから、今までの生活歴から想像できる潜在的なニーズ、そしてご本人ばかりでなく、ご家族の顕在的、潜在的ニーズにまで思いを巡らせて、新人らしい思い切ったプランを考えてくれました。

そのプランの中にどんなストーリーやエピソードがあるのかを共有し、実現するための具体的なロードマップも作ってもらいました。ベテランスタッフでは、なかなか思いつかない発想が出てきて、具体化するのには、かなりハードルが高い物もありましたが、目標は高ければ高いほど、達成感もありますので、是非、実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。

1つのストーリーをご紹介します。

①98歳　女性　Ｆ様

かつて小学校の先生をされていて、今でも脳トレや読書がお好きなＦ様に、活躍されていた頃に近い場をご用意して、ご自身の今までの人生を振り返っていただこうという企画

「実際に働かれていた大田区の小学校に、当時の生徒さん達を集めて読み聞かせの授業を行う」ものです。

現実問題として、個人情報の問題などから実現するのはとても難しいとは思いますが、このエピソードの中には、Ｆ様の今までの人生の中で、ご自身が誇りに思っていたことを限りなく近い環境を整えて実現し、喜びや達成感を感じていただこうというとても夢のある内容ではないかと思います。

アライブ世田谷中町では、この研修ばかりでなく、各スタッフが自身の居室担当(※1)のご入居者にこのようなストーリーやエピソードを考え、実行していくことが、ホーム目標となっており、日々、取り組んでいます。

※1　ご入居者に対する担当スタッフ制のこと。