2023年3月27日
先日、ホームでご逝去されたS様のご家族が、ご挨拶に来てくださいました。
四十九日の法要が終わり、少し落ち着かれたそうで、そのご報告を兼ねてとのことでした。その際に、手紙をいただきました。手紙を読んで、あまりにも「ありがたい言葉」の数々に、本当に、S様の人生の最期の一部分に関われたことに、感謝せずにはいられませんでした。今回は、そちらのエピソードをご紹介します。
いつでも、ご逝去は、とても悲しいことではあるのですが、その方との楽しかった思い出を振り返りながら、次のご入居者へのケアや、取り組みに思いを馳せたりすることもあると思います。
S様は、IVH(※)を行っておりましたが、何度も何度も経口摂取をトライしていた方で、結局、アイスや水分の経口摂取がメインとなってしまいましたが、最後まで諦めずにトライ出来たことは、本当に良かったと思います。
〔※IVH(在宅中心静脈栄養):口からお食事を摂取できない方に有効な治療法。高カロリーの栄養輸液を体内の中心に近い太い静脈から継続的に入れる方法。〕
リスクがゼロではないものの、ご家族とホームとしては、お楽しみ程度の経口摂取から継続して続けていきたいという気持ちが一致していたので、取り組みに賛同し、前向きにサポートしてくださる言語聴覚士、看護スタッフ、作業療法士、ケアマネジャーの、多職種で様々な取り組みを行いました。
〔言語聴覚士は主に言語障害・音声障害・嚥下(えんげ)障害に対しての専門家です〕
ある日、S様が大きな声で「部屋に帰って寝たい!」と、リビングでおっしゃった時、スタッフの気持ちのジレンマ(ご本人の気持ちを優先するのか、活動性や経口摂取を優先するのか)に何度も何度も迷ったりもしました。また、このコロナ禍の中、S様が時折、出される不明熱にも悩まされ、経口摂取を幾度となく、諦めかけたこともありました。
そのような中で、突然迎えたS様のご逝去。
その2か月後、ご家族からのお思いもかけないお手紙…。
手紙には、以下のような言葉が並べられていました。
『私たちが母と生前最後に会ったのは、亡くなる1週間前、自分の意思で、自分の手で、しっかりお茶を飲み、バナナを食べ、おかわりをするほど食欲があり、話したり、笑ったり・・・・・・、食事を受け付けなくなって病院からホームに戻った後の対応は、とても印象に残っています。何とか食べさせようと工夫を凝らし、様々なスタッフが一丸となってチャレンジし、さすがプロだなと感じました。長らく食欲が戻らず、諦めかけていたころ、最近になって少しずつ食べられるようになってとても驚き、まさに皆さんの努力の賜物だと感じました』
日々のアライブケアメソッドの実践に、苦労することは多々あると思いますが、その取り組みの先に、このような感謝の手紙という一種のvalue(ご入居者の意欲の創出×スタッフのやりがい×ご家族の喜び)もあるということを信じて、取り組んでいけると、ご入居者やご家族、私たちみんなの幸福に繋がるのではないかと思います。
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