2023年1月5日
先日、アライブ全ホームでの日頃の取り組みを発表する事例発表会が行われました。
今回、アライブ世田谷中町では、今年の春に大阪からご入居されたA様への取り組みについて発表いたしました。
各ホーム、様々なテーマでの事例発表がありましたが、今回は、アライブ世田谷中町の事例が最優秀賞という評価をいただきました。
今回の中町の発表テーマは、「No エピソード No Life ~エピソードから真の望みへ」です。
簡単にではありますが、事例の内容についてご紹介いたします。
【目的】
昔からお子様優先で、自分の要望などをおっしゃらないA様。大阪での独居生活から、ご家族の希望で、施設にてケアをしてもらいながら、楽しく活発に過ごして欲しいとアライブ世田谷中町に2022年3月に入居。入居当初から帰宅願望が見られ、基本ケアの見直しを行い、体調面を整えていく。
また、A様の真の望みを叶える為に居室担当業務を通してA様とのエピソードを積み重ねていく。
その過程でご本人の「生きがい」や「やりがい」を知り、真の望みを引き出せるのではないか。
【方法】
・調査対象:A様 91歳 要介護 1
・既往歴:認知症 高血圧 脂質異常症、転倒歴なし
・調査期間:2022年7月~2022年10月
・調査方法:
①水分摂取量のアップ
1日1500㏄~2000㏄を目標
日ごとの水分摂取量の安定化、水分表の更新、大きいグラスから小さいグラスへ変更、
A様ご自身にお好みのジュースを選んで頂く。
②入居前の趣味・習慣からのアプローチ
昔好きだった事、習慣的に行っていた事をルーティンケアに取り入れる。(筆記・日記)
歩く事、運動することが好きだが、活動したことを忘れてしまう。
→活動量を明確にする為、万歩計を使用。活動量を可視化。活動内容を日記に書いて頂く。
③ご家族との対話
ご家族の希望・願いを把握する。
④センター方式幸福度診断テスト
いくつかの質問事項に答えていただき、現状にどれくらい満足しているかを
数値化して幸福度を測る。
【結果】
・水分量UP
取り組み前から取り組み後で1日770ccから1400ccへ。
入居当初から見られた帰宅願望と見当識障害が水分量の安定化と共に消失。
・活動量を可視化したことでご本人の意欲が向上、入居当初は聞かれなかった、
「自宅(長女様)の家まで歩いて行きたい」「プールの大会に参加したい」という真の望みを引き出すきっかけに繋がった。
・1日トータル歩数
(1500歩)→(3000歩~5000歩)にアップ。
2022年9月 ご長女様のご自宅へ行き帰りを徒歩で行く。(往復1時間ほど)
2022年10月 趣味であったプールへ泳ぎにいく⇒(背泳ぎ25メートル)泳ぐ事に成功。
・引き続きプールへ通う事を継続。A様から、大阪で参加していた『マスターの大会に出たい』と更なる願いを聞く。
【考察】
日々の基本ケアとA様とのエピソードを積み重ねて行くことで、真の望みであった「ご自宅へ歩いて帰る事」「プールへ行く事」を、ご家族の協力を得ながら、望みを叶える事が出来た。
エピソードを重ねていくことで真の望みを知り、叶える事が出来た。意欲の向上と叶える事で自信につながり、更なる望みが広がっていく。また、生きがいや、やりがいに繋がっていく。
今回の中町の事例は、ご入居のA様の入居時からのアセスメント(客観的な評価や分析)、そしてニーズを掴み、ご家族とも相談し、ホーム内の多職種で協力しながら、その願いを叶えようとした「エピソード」です。「ストーリー」の過程をご紹介した内容になっています。
そこには、しっかりとご入居者をアセスメントして、その方のニーズを探り、体調を整え、エピソードを創る、そして「生きがいとやりがい」を得る一連の流れがあります。
アライブ世田谷中町ワードで言うと、
「知ることで深まるアライブアップ」「No エピソード No LIFE」
アライブメディケアで言うところの、
「ひとりを思う、そのために」を実践するという流れがきちんと組み込まれています。
事例発表したスタッフが言っていた通り、事例発表会がゴールではありません。
これからも、その方へのケアは続いていきます。
今後もこのような素敵なエピソードが生まれることで、我々のやりがいに繋がると感じました。
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