2023年1月12日
アライブ世田谷中町では、デイユースといって、日中だけホームをご利用いただいている方がいらっしゃいます。
その中のお一人、週2回、デイユースを利用されているM様とのエピソードをご紹介します。
M様は、不動産関係の会社を経営されていましたが、認知症が進行し、今では会社はご家族に任せ、引退されています。今まで、ずっとお仕事でお忙しくされていましたが、引退後はずっとご自宅で生活されることとなり、悶々とした日々を送られていたそうです。
そんなM様の姿を見た奥様も、M様のことが心配となり、担当のケアマネジャーの方に色々と相談をされました。
その担当のケアマネジャーから、まずは日中だけ利用できるサービスはないかとお問い合わせをいただき、アライブ世田谷中町でもデイユースというサービスを新設し、ご利用いただくという流れになりました。
デイユースは、長期入居やショートステイは、まだハードルが高いと感じているご本人やご家族にも、気軽にご利用いただけるサービスです。
M様ご本人も最初は、あまり利用に対しては前向きにはなれず、認知症になってしまわれたご自身を悲観し、後ろ向きな発言も多く、アライブへお越しになることも躊躇されていました。
とりあえず、一度行ってきてみて、というご家族の言葉に、しぶしぶ利用され始め、行き帰りの送迎中には、「なんだかわけがわからない、忘れてしまってどうなっているんだか・・・」ということをよく口にされていました。
そんな中、M様には少しでも前向きになっていただこうと、ホームで目標を立てました。
「来年の春、暖かくなったら、ご自身が昔からよくされていたゴルフのラウンドを馴染のコースで行う」という目標です。それに向けて、アライブでのデイユースの時間を利用して色々と活動的、かつ前向きになっていただこうというものです。
この長期目標に向けて、2つの短期目標を作りました。
先日は、その第1弾として、ホームの玄関前でドライバーの素振りを行いました。
最初は「出来ないよ」とおっしゃっておりましたが、スタッフに促され、1度、素振りを行っていただいたところ、とても綺麗なスイングをされていました。
スタッフの素振りも見ていただき、「君のは、悪くないね」と褒めていただきました。
その日のお帰りの車中で、「折角、君とも知り合ったんだから、一緒にゴルフのラウンドをしたいんだけど、ダメだな、何もかもがわからなくなってしまって・・・」という発言も何度も何度もされていました。
しかし、行きの車では、「絶対、もうゴルフなんて出来ないよ。クラブを持っていっても仕方ないよ」とおっしゃっていたことから比べると、前向きな発言をされるようになっておりました。
この日から、M様は今までの革靴から、スニーカーに履物を変えられてお越しになっています。やはり、心のどこかで、以前のようにゴルフがしたいというお気持ちがあることが感じられました。
M様とのストーリーは、始まったばかりです。
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