2022年6月23日
アライブ世田谷中町では、先日、直前までお元気だったK様がホームで急逝されました。
大動脈解離という診断で、息を引き取られてしまいました。あまりにも突然のことで、全スタッフが驚きと悲しみに包まれました。
K様についてエピソードをご紹介します。
K様は、認知症をお持ちですがお体はお元気で、ご入居する前はひとり暮らしをされていました。ホームの生活において食事やアクティビティ、入浴以外に、脳トレやパズル、リビングの洗い物や洗濯物たたみなど、様々な活動をして過ごしていただいていました。
その一環で、お時間のある時に折り鶴を折っていただき、千羽鶴を作っていこうという企画を居室担当スタッフ(※)が提案しました。始められたばかりでしたが、30羽ほど折られたところでご逝去されてしまいました。
このことをスタッフに情報共有すると、多くのスタッフから悲しむ声があがりました。居室担当スタッフからK様が始められた折り鶴をスタッフで手分けして折り、棺に入れられないだろうかという提案に多くのスタッフが賛同しました。休憩時間や休みのスタッフも有志で駆けつけ、1日で900数十羽を折り、無事に納棺時に納めさせていただくことが出来ました。スタッフ一人あたり、約30羽。言い出したは良いが、果たして完成することが出来るのかギリギリの時間との戦いの中で、何とか完成することが出来ました。
突然の訃報に対し、悲しみや驚きの声もたくさん上がりましたが、ここで私たちは自分たちの今年のスローガンである「NO エピソード NO LIFE 私たちが動かなければ、何も始まらない」をしっかりと実践しました。たかが、折り鶴、されど、折り鶴。ご本人が折ったうちの1羽は別のガラスケースに入れて、スタッフとK様で完成させた999羽とともに、娘様に経緯をご説明するとともにお渡しさせていただきました。
ご逝去される直前までは、食器洗いやエプロンたたみをしていただいたり、屋上菜園の水遣りや外周散歩をされたりと、いつもと変わらない忙しい時を過ごしていただいていたのに、本当に残念でなりません。
今回は、とても時間の短いターミナルケアとなってしまいましたが、思いや熱量は変わらず、最期のお手伝いをさせていただきました。
棺には、他にも出身地の銘菓やご入居される前には吸われていた好きな銘柄のたばこ、ホームで撮った沢山の写真も入れて、楽しかった思い出とともにホームで納棺。お花入れをさせていただき、多くのスタッフに見送られて旅立っていかれました。
ご入居されて少し慣れたころ、ご自宅近くの駅周辺をスタッフと一緒に出かけ、馴染みの喫茶店に行き、いつものコーヒーを飲んで、いつものスーパーで買い物して、ホームに帰ってこられました。もう一度、一緒に外出したかったです。
改めて「NO エピソード NO LIFE」、たくさんの良いエピソードを創っていきたいと思うとともに、覿面の今を大切にしていきたいと感じずにはいられませんでした。
※ご入居者に対する担当スタッフ制のこと。
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