母は『最後まで自宅で過ごしたい』とはっきり言っていました。
「同じ年頃の親を持つ友人たちに話を聞いても、親を説得してホームに入ってもらうことに苦労している人がとても多かったので、ホームに入ることを母に持ちかけたらどう反応するか、すごく気がかりでした」
S様は、お母様がアライブ荻窪に入居する前のことをこう振り返ります。89歳になるお母様がアライブ荻窪に入居したのは2021年4月のこと。きっかけは自宅での転倒によるケガでした。
6年前にご主人が亡くなり、川崎のご自宅で一人暮らしを続けてきたお母様。昨年の12月30日に自宅で転倒、大腿骨を骨折してしまいます。長男様、次男様が駆けつけて、年明けに入院、手術となり、その後はリハビリ病院に転院することに。
「ただ、リハビリ病院を出なければいけないので、2月末からソーシャルワーカーさんと相談しながらホームを探し始めました。私が荻窪に住んでいて、兄が住んでいるのは目黒。すぐに面会に行けるように、どちらかに近いほうがいいだろうと考えて、アライブ荻窪に決めました」(次男様)
アライブ荻窪のことは、退院する際、病院のソーシャルワーカーの方にリストアップしてもらって知ったそうです。ただし、心配だったのは、以前から「ホームに世話になるより、自宅で過ごしたい」と強く希望されていたお母様の反応でした。次男様はお母様がホームに入居することに後ろめたさも感じていたそうですが、お母様は意外な反応を示します。
「母もこちらの気持ちを察してくれたのか、入院中にオンラインで面会したとき、自分から『こんな状態では一人で家では過ごせないね』と言って納得してくれました。ある意味、すごく助かりましたね」(次男様)
長男様は、お母様がアライブ荻窪で生活されている様子をご覧になって、「もっと早くホームのお世話になればよかった」と感じたといいます。
「転倒する前に母と話し合って、このようなホームにお世話になることを検討すれば良かったと思っています。一人暮らしの孤独感もあったでしょうし、家族としても『無事でいるかな?』と常に心配でした。ただ、私たちもホームのことをよく知りませんでしたし、なかなか決断できませんでした。転倒して骨折したときは、『やっぱりこういうことが起こってしまうのか』とあらためて感じました」(長男様)
いくつものホームの中からアライブ荻窪に決めたのは、次男様のご自宅に近かったことのほか、部屋が広かったこと、食事に力を入れていること、周囲に緑がたくさんある閑静な住宅街に立地していることなどがあります。何より大きかったのが、スタッフの人数。ご入居者1.5人に対してスタッフが1人と手厚かったことと、常駐の看護スタッフがいる安心感、そしてアライブ荻窪の小規模であたたかな雰囲気でした。
「高齢者の環境変化は大変ですので、母がうまく慣れてくれるかどうか心配しました。思ったよりはるかにスムーズに慣れてくれて良かったです」(長男様)
転倒防止と健康管理はプロの手で
何よりもご家族が心配されていたのは、お母様の健康状態でした。特に再度の転倒と骨折には細心の注意が必要となります。
「病院の先生には『もう一度骨折したら、一気にQOL(クオリティ・オブ・ライフ。生活の質)が下がるので、転倒を避けるように万全を尽くしてください』と言われていました。僕か弟が自宅に引き取っていたら、転倒を防ぐのは難しかったでしょう。骨折した後の介護などはプロの方たちにお任せすべきなんですね。家族といっても介護については素人ですから限界があります。そういう意味でも、プロの方たちに安全対策をしっかりやっていただいているアライブ荻窪に入居して良かったと思います」(長男様)
実はアライブ荻窪に入居されてからも、お母様はたびたびお部屋で転ばれていたそうです。介護スタッフや看護スタッフたちの素早い対応のおかげで、大事には至りませんでした。
「いろいろなセンサーや手すりがついていても転倒は避けられません。これが自宅だったら大変なことになっていたでしょう。設備も環境も整っているホームにお世話になることができて本当に良かったです」(次男様)
入居時は車椅子だったお母様でしたが、スタッフのサポートを受けつつ部屋から食堂の移動などに歩行器を使い、日常生活に少しずつリハビリを取り入れていきました。今では短い距離ならご自身で歩行器を使って歩くことができるほど回復しています。
また、転倒・骨折防止のみならず、健康面についてスタッフから逐一報告があることと相談ができることも大きな安心につながっているとのこと。アライブ荻窪に入居後、体の不調が見つかって脳神経外科に5日ほど入院したことがありましたが、その際のお世話もスタッフに任せることができました。
「担当医の先生が決まっていて定期的に来てくれるのと、看護スタッフも昼間いらっしゃって、投薬のことなどについてもまめに説明してくれます。非常に安心だし、納得感がありますね」(長男様)
素人ではわかりにくいことや、家族では母親に尋ねにくい健康状態のことも把握してくれるところも安心できるポイントだといいます。
「昨年、母が一人暮らしをしているとき、顔色が悪く、体調も良くなかった時期がありました。母の主治医に相談して、総合病院で検査していただいたところ、便秘だと判明して摘便してもらったんです。そういうところは僕たちではわからない。ホームでは排便の頻度なども管理していただいて、悪化する心配もないので、家族からすると非常に安心ですね」(長男様)
ひ孫に会うことが何よりも楽しみ
お母様も徐々にアライブ荻窪での生活に慣れているようです。「ご自宅に帰りたいと思うことはありますか?」と取材に同席されたお母様にお尋ねすると「ないですね」としっかりとしたお答えが返ってきました。ご入居者それぞれのライフスタイルや好みに合わせて生活を送ることができる自由度の高さも、お母様には向いていたようです。
「ホームによっては、なるべく共有スペースで一緒にいることをポリシーにしているようなところもありますよね。そういうことが好きな人にはいいかもしれませんが、今の母にはちょっとうるさく感じて向いていないと思いました」(次男様)
普段はお部屋で過ごすことが多いというお母様ですが、若い頃は、手芸や編み物、木彫り、生け花など多趣味だったそうです。アライブ荻窪でも、最近では生け花を楽しまれることがあったとか。長男様、次男様も、お母様がホームに慣れるまでどれぐらいかかるか不安だったといいますが、その不安は少しずつ解消されているようです。
「コロナ禍でもフレキシブルに対応していただいて、週に一度程度は面会させていただきました。親戚が入っている他の施設に比べると、面会できる機会は多かったです」(長男様)
今、お母様には大きな楽しみがあります。それは、昨年生まれたばかりのひ孫の男の子と会うことです。
「私の娘と昨年生まれた孫、母にとっての孫とひ孫が近くに住んでいて、これまでも一緒に面会に来ることもありました。母は1歳のひ孫を連れてくるとすごく喜んでくれますね。コロナも含めて、この1年はいろいろなことがあったので、それが僕たちにとっては救いですね」(次男様)
ひ孫のお話をすると「うれしい」と満面の笑顔になられるお母様。歩行器を使って歩く距離が伸びていけば、近所にある次男様のご自宅を尋ねたりすることも可能になります。
「コロナが落ち着けば、これからはいろいろな行き来もできるようになると思います。母を私の家に連れてきてお茶をしたり、ひ孫のところに連れていったりすることができれば、母にとっても違う刺激や楽しみになると思いますね」(次男様)
取材・文:大山くまお
※インタビュー内容やご年齢などは、取材当時のものです。
アライブ荻窪
介護リーダー / Sさん
ご入居された当初は、ベッドの上で過ごす時間が多く、夜もよく眠れず、表情が暗く、どこか疲れているようなご様子でした。しかし現在は、体操やアクティビティにも無理のない範囲で参加され、何より、笑顔がとても増えました。各職種で連携し、S様に寄り添い、少しでもいきいきと過ごせるように、とケアを続けた賜物だと思います。今後も、最高の笑顔でお過ごしいただき、ご家族にも安心していただけるよう、精一杯サポートして参ります。
アライブで迎えた100歳の誕生日。母が長生きできたのは「介護の力」のおかげ。
#ご家族の声 #アライブかながわ
92歳でも元気いっぱい!ホームに抱いていたイメージが覆ったアライブの「自由」さ。
#ご家族の声 #アライブ世田谷下馬
“生きる意欲”を失った母のために真剣にホームを探しました。
#ご家族の声 #アライブ目白
ひとりの人間として母を守ってあげたいと思いました
#ご家族の声
在宅介護を経て、それぞれが彩りのある暮らしを。
#ご家族の声 #アライブ浜田山
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