2022年8月31日
6月、梅雨の晴れ間のある日、東京競馬場までドライブに行ってまいりました。
その日はちょうどGIレース「安田記念」が開催されるとあって会場は熱気に包まれ、屋外の開放的な雰囲気の中ではあるものの、感染対策や体調管理にも万全を期して臨みました。
きっかけは、新型コロナの感染拡大の影響で外出を控えていた2021年末、A様の「走っている馬が見たい」の一言でした。そんなA様の声を聞いたスタッフは、何とかしてその望みを実現して差し上げたいと、さっそく計画を練り始めました。
そして待ちに待ったレース当日。実はA様、競馬の経験はなく、人生初の馬券を握りしめていました。普段から福祉用具を使用せず歩いていらっしゃる方ではあるものの、初の競馬場でお疲れにならないか心配し、念のため車いすを準備していきました。しかしA様は持って行った車いすは使わず、ひたすらご自身の脚で歩いて楽しまれておりました。
結果、馬券は当たりませんでしたが、それ以上に価値のある素敵な一日となりました。
また、A様と一緒に競馬場へご案内したもう一人のご入居者、B様のエピソードです。
B様は酸素吸入が必要な方でしたが、ドクターの指示を仰ぎ、ご家族へも相談の上で十分に安全を考慮しました。B様は、昔は月に2回も理美容室に通うほどのお洒落好きな方。当日はお気に入りの帽子をかぶり、パリッとした背広を着てお出かけしました。
普段は車いすの生活で、トイレの事が気になって心配で仕方なく、実は前日まであまり乗り気ではなかったようです。なかなかこの話に踏み出せずにいましたが、B様の娘様は「ぜひ!」と喜んで背中を押してくださりました。当日は、レースが始まると立ち上がって熱心に嬉しそうに見ていらっしゃるほどでした。
この経験で自信がつき、今度はご家族との旅行の話にまで繋がっています。
実はこのA様とB様、同フロアのリビングでお食事をされていますが今まで会話したことがありませんでした。しかし、この日を境にお2人がお話している場面が見られるようになりました。
現在、新型コロナウィルスの感染が再拡大しており、外出などは慎重に検討しておりますが今後も皆様の声に耳を掛け向け、ご希望を叶えられるよう寄り添ってまいります。
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