2021年10月26日
今回は「アライブ代々木大山町の認知症介護②」でお伝えさせていただきましたA様の取り組みについて、4ヶ月を経ての事例をご紹介いたします。
事例【徘徊と歩行障害】
<ご入居者の概要>
A様 80代中盤 男性 アルツハイマー型認知症
A様はホームに入居している目的はご理解されておりませんが、先日ご紹介しました取り組み(※1)で、同じ質問を何度も繰り返すということは軽減されました。
しかし「徘徊」とそれによる「転倒」の課題がありました。徘徊は認知症の周辺症状(BPSD)の一種です。
前回の記事(※2)でご紹介した「認知症タイプ分類DDQ-43」と「FAST(日常生活機能重症度判定)」にて症状の確認を実施したところ、「前頭側頭型認知症」「アルツハイマー型認知症」の症状が現れており、神経伝達物質であるドーパミンが低下することにより「すり足で歩く」=転倒につながるのではないかという仮説を立てました。
そこで、理学療法士との連携により、「立ち上がる際に前傾を促す、靴に3mm程度のインソールをつけ、重心が安定するような姿勢につなげる。」という取り組みを新たに始めました。また、徘徊せずに落ち着いてお過ごし頂けるように、新たに「食事の時以外はソファーにご案内し、足をあげることができる姿勢を取れるようにする」という取り組みも始めました。
その結果、前回(※1)までの取り組みもあわせて継続的に実施したことで日中リラックスした姿勢が取れ、夜間帯にまとまった睡眠時間が取れるようになりました。
また、排泄の回数が多く、排泄のタイミングで立ち上がった際に誰かを探して徘徊してしまい、転倒に繋がっているのではないかという仮説も浮上しました。
そこで、主治医に相談の上、排泄の回数、タイミング、排尿量を測定し、排尿障害の原因を探る取り組みを開始しました。
この結果、内科的疾患の可能性があり、内服加療が開始され排尿の回数を減らすことができました。
これからも、お一人おひとり、ご入居者に対し、単発の取り組みで終了するのではなく、PDCAサイクルで継続的に取り組んでいき、多職種と連携しその時に最適なケアを提供していきたいと思っております。
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